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         黄金の日本史

     加藤 廣          新潮社471



 著者の加藤 廣(かとう ひろし)は「信長の棺」などで知られる歴史時代小説家で、金融エキスパートでもあります。

 今年前半期にはNHKラジオ講座「黄金から見直す日本史」の講師も務めました。

 歴史家や歴史に興味のある方は誰でも、歴史を動かす力は経済にある、ことに気がついています。

 素人の私が書いた「戦後日本の変節」も前文で、そのことを匂わせました。

 その「経済」を「キン」と見定め、一点に絞って解りやすく説いたものがこの本です。

 「金」と書くと「貨幣」の意味にも広がってしまうので、この本では、あくまでも金属としての金を表現するために「キン」としました。

 世界史で「黄金の国ジパング」などと記されたことの厄災や、秀吉の中国大返しの仕掛けなど、目から鱗が落ちる思いで読むことができます。

 特に最終の第11章は読みごたえがありました。

 タイトルは「ドル経済を支え続けるピエロ国家」、内容はアメリカのいいなりにピエロのように踊り、「キン」をむしり取られているどこかの国のことです。

 最後は――

 日本は、本当に、
  働けど働けど 我がくらし
   楽にならず じっとドル札を見る
 しかないのだろうか。
 老生などが心配してもしょうがないのだろうが、他人事ではない。
 そう思って、思いつくままに、遺言のような気持ちで書いた次第である。


 ――と締めくくられていました。


1 黄金の日本史
黄金の日本史