FC2ブログ
           私の「戦後70年談話」

 岩波書店編集部編               岩波書店



 間もなくして予定されている安倍首相の「戦後70年談話」には、おそらく彼の持論である「戦後レジームからの脱却」が盛り込まれることでしょう。
 このことが国内はもちろん、国際社会からどのように評価されるのか今、多くの人々がかたずをのんで待っているところです。
 そのような中、7月3日にこの本「私の『戦後70年談話』」が発行されました。もちろん、その趣旨は「もし自分が戦後70年談話を出すとしたらこれだけは語っておきたい」というものです。
 2人の元総理を含む41人の筆者のすべてが戦前に生まれ、幼いころに戦争を体験し、敗戦から立ち直っていく日本社会の中枢となりつつ、この70年間、戦争で1人も死なず1人も殺さなかった日本を見守ってきました。
 その内容を3作品ほど、みてみましょう。

 俳優の宝田明氏はロシア兵から腹部に受けた銃創が今でも痛むそうです。
 戦争を防ぐこと、起こさないようにすることは戦争を始めること以上にエネルギーと努力が必要です。いままさにその時期だと思うんです。

 妻が所属する美術団体に出品している元総理の海部俊樹氏は屋根を突き破って落ちてきた焼夷弾を、布団をかぶせて消したそうです。
 かつて国民が恐怖し、嫌悪した戦争はしてはいけない。日本の基本は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の三つに集約されています。政府、政治家はこの原則を大事にして、いささかも戦争に前のめりになってはいけないと思います。

 自身の戦争体験をもとに火垂るの墓を著した野坂昭如氏は「思考停止を憂う」と題し、次のように記しています。
 原発について、その危険性と改めて向き合い、今後について立ち止まって考えることをしない。あの敗戦のときと同じ。思考停止のまま。やり過ごそうとしている。
 70年前、日本は戦争に敗けた。一面の焼け野原、子は飢えに泣き、老いは凍え、みじめだった。戦争が終わり次はどう生きるかが問題だった。着の身着のまま必死だったにしろ、立ち止まって考えることをしなかった。


 その他どの方々も断固として戦争を拒み、平和を希求する誠意のこもった文章を連綿と綴っています。
 やはり、第一には子供のころの戦争体験がそうさせるのでしょう。そして、第二には子や孫たちを思えばこそでありましょう。

 そこで、私は思うのですが、子や孫の立場から「私の『戦後70年談話』」を考えてみてはいかがでしょうか。それには父母や祖父母の話をよく訊かねばなりません。そして自分の経験や体験に置き換えて咀嚼し、呑み込んで栄養にする必要があります。それらのことをして来なかったから戦争法案を軽々しく扱うひとが出てくるようになってしまったのではないでしょうか。


私の「戦後70年談話」
1 私の「戦後70年談話」

2 目次
2 目次