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        城山三郎が娘に語った戦争

         井上紀子   朝日文庫

1 SANY1595

 城山三郎は経済小説や歴史小説のベストセラー作家として知られています。

 それを通じて、あるいはそれとは別に、彼が人生をかけて徹底追及したものに、反戦と反言論統制があります。

 この二つのゆるぎのない城山三郎のポリシーについて、次女の紀子さんが懐かしみながら検証していきます。

 東京都の偉い方も作家ですが、同じ作家でも、この違い。都内の有権者に是非読んでいただきたい。

 次のような微笑ましいエピソードも書かれています。


 文学界新人賞を受賞した時、二人は、まだ名古屋に住んでいました。

 授賞作は「輸出」。経済小説です。

 当時は、電話も普及していなかったので、電報で知らせが来ました。

「電報でーす、城山三郎さーん」と電報局の人が来た時、母は、
「うちには城山三郎なんて人はおりませんが」
 と追い返そうとしたらしいのです。
 すると奥から父がものすごい勢いで走ってきて、
「ちょっと待って、待って、城山三郎って僕、僕、僕だから」と。
 それを聞いた母は、
「えーっ、そうなの?」
 その時はじめて父のペンネームを知ったようです。
「あらー、そうなの、知らなかったわ。言ってくださらなきゃ」
 と母は父にのんびりと言ったとか。
 父は「あの時は本当にびっくりした」と言っていました。
 ともあれ、父は受賞の知らせを手にすることができ、作家としての第一歩を踏み出すことになったのです。(53頁)
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