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          嫉妬の世界史

    山内昌之             新潮社091



 歴史は、あまりにも茫漠としているので、切り口を決めて述べることがよく行われます。

 地域・民族・宗教・経済などの社会的枠組みで切り取られることが多く、情愛 ・嫌悪 ・尊崇 ・侮蔑などの個人的感情で考察することは殆どありません。

 感情的なものを切り口にすると歴史書ではなく物語になってしまうからでありましょう。

 ところが本書は喜怒哀楽とともに誰でも持っている厄介な感情「嫉妬」を切り口にして世界の歴史を読み解いていきます。

 イスラーム史の専門家にして世界史にも通じている著者にして初めてできることでありましょう。

 ヒトラーや東条英機の嫉妬が国家の存亡に関わり、スターリンや毛沢東の嫉妬が粛清の原因だったことなどが解ると、世界が手のひらの上に転がっているような気がしてしまいます。

 最終章には保科正之(ほしなまさゆき)が 「嫉妬されなかった男」 の代表として出てきますが、このような大人物は世界史的 にみても珍しいということなのでしょう。

ユニークさは、切り口だけでなく、シェークスピア ・白川静 ・塩野七生など、考文献の選択にも表れています。

 独特の小気味よい視点で述べられた世界史アラカルト、読んでみて損はありません。

 なお、私はHP 「魔界、そして非情な世界 2」 で個人的な感情の1つである恋愛を切り口にして歴史的なことがらを述べてみました。ご笑覧ください。


1 嫉妬の世界史
コメント
この記事へのコメント
すみません<m(__)m>私の本の傾向とはあまりにもかけ離れて考えが湧きません。

心理・心・宗教・等々私の場合偏りすぎている傾向があります。
2014/03/05(Wed) 17:27 | URL | hana | 【編集
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