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       人はともだち、音もともだち

          池部晉一郎対談×エッセイ

      池部晉一郎             かもがわ出版



 池部晉一郎氏は水戸市生まれ、評論家の立花隆氏とは幼馴染、女優の香川京子さんはいとこ。武満徹の亡きあと日本の代表的な作曲家としてNHKを始め世界の音楽シーンで活躍しています。

 そのような方に対して、誠におこがましいのですが、物の見かたや考え方が私と同じなので驚きました。


 音は何かに似ている、とかねてから感じていた。
 ひとつは「」だ。もちろんこれは、音楽を学んでいればどこかで出会う理屈だ。(中略)似ているというより、同じだ。(150頁)

 もうひとつ、音が似ているのは「」だ。
 水は、高きから低きへ流れる。音もまた、そうなのである。(152頁)

 大自然を曲げることなど、できようはずもないではないか。風も、水も、大自然の一端だ。もし音がそれらに似ているのだとしたら、僕ごときがそれをどうこうできるわけがない。
 自然に寄り添い、自然と会話を交わそうと試みること――そうすることしか、作曲という営為をつづける方策はないのだ。僕はこれからも、そう思いつづけるであろう。(155頁)

 経済至上主義はやがて「構造的自然災害の時代」を迎えてしまう。自然の摂理に逆らわない文化を――と、石橋克彦氏はいう。
 僕も同意見である。いや、音楽がそれを教えてくれているというほうが正しい。音楽のオオモトは、風と水なのだ。(223頁)

 岩下 前進座の創立メンバーだった河原崎長十郎は私の叔父で、その息子の長一郎、次郎、健三はいとこ。私は小学生のころ、前進座の集団住宅で暮らしていたこともあるんですよ。
 池部 岩下さんが幼いころから確固たるイデオロギーのもとにあったということ、篠田監督の作品の方向とが重なるんですよ。
 岩下 ああ、なるほど。いくらか幼いころの影響があるのかもしれませんね。(118頁)

 池部 美輪さんはコンサートでも憲法9条の堅持を訴えていらっしゃいます。
 美輪 もの知らずの自民党が、憲法はアメリカのお仕着せって言ってるけど、あれは日本製ですよって言うんです。植木枝盛の私擬憲法などの自由民権運動、ワイマール憲法、大正デモクラシーの影響を受けて、鈴木安蔵が中心になってまとめた憲法草案が土台になっているわけですから。
 池部 僕は、あの憲法がたとえ日本製じゃなくても、アメリカ製であったとしても、世界の手本だと思うんです。世界の憲法だと思えばいいという気がします。
 美輪 同じ人間が作った憲法で、素晴らしければ、それでいいじゃありませんか。でもあれね、日本製なんですよ。(143頁)



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コメント
この記事へのコメント
同じ思想や考え方、生き方のひとに出会うとホッとするし嬉しいですね。
2014/10/29(Wed) 18:23 | URL | hana | 【編集
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