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 服部和彦作曲個展    2月24日(月)  東京文化会館


1 プログラムより
プログラムより


 服部和彦作曲個展に行ってきました。個展といってもコンサートであることはお分かりでしょう。

 初めてではありません。前回はちょうど4年前のバレンタインデーでした。

 妻と雪の中を歩いたことを覚えています。

 今回もその時と同じように2人で出かけました。


2 招待ハガキ
招待ハガキ


 前回と同じく曲が進むにしたがってソロからオーケストラにまで編成が成長していく普遍的な構成手法です。奇をてらっていろいろなことをやりたがる方が多いですが、やはり、安定感のある盛り上りといいますか、秩序を維持した高揚感を求めるなら、他の方法は考えられないでしょう。その中で歌唱や朗読などの色使いのポイントもよく考えられていて、しかも過不足ないものでした。
 ジャズのコンサートなどでは、最初にドカンと花火を打ち上げて後はしりつぼみ、ということがよくあるのです。閑話休題。

 初曲から終曲まで水と空気の諸相で統一されている。水の動きは霧・雨・雪・せせらぎ・川・河・海などであり、空気の動きは風と呼ばれ、音楽そのものである。
 どうも、これらは作曲家のたどり着く至高の表現と思えてならない。ヘンデルの「水上の音楽」やベートーベンの「田園」から始まり、ドビュッシーの諸曲を経て、武満徹や池部晉一郎まで、作曲家として・芸術に携わるものとして・人間として求めざるを得ない世界のような気がしてならない。
 具体的には、クラスターが散りばめられた中に同音を避けた無調のメロディーが流れ、ホールトーンスケールのミニマルミュージックフレーズに対してもう一種類のホールトーンスケールのメロディーを対立させ、独特のペンタトニックスケールのなかに各楽器のハーモニックス的要素を浮き立たせるなどの手法で「水や風の諸相」や「カオスの後に訪れるコスモスの予感」を表現している。
 「朗読+音楽」は、ともすると「ピーターと狼」のように子供用劇伴化してしまいがちだが、音楽だけ、朗読だけでも鑑賞に耐える質の高いものが混合ではなく、化合の域にまで達した新しいジャンルと言えるであろう。特にオカリーナの扱いと奏者の大沢聡氏の技量には感嘆した。
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