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       金をもらっても使いたくない日本語

           内館牧子         朝日新聞出版


 内館牧子さんは作家・脚本家・エッセイストが本職ですが、むしろ横綱審議会委員として勇名を馳せました。

 朝青竜の横綱としての品格を徹底的に問題視した方です。

 その方が、今回は若者が使う日本語について噛みついたのですから、ただ事ではすみません。

 タイトルをわざと、どぎつくしたのは問題を逆手に取り、相手の懐に入るためなのでありましょう。

 圧巻は臓器移植記者会見の模擬シーンです。

 「普通は~、会見とかは~、コーディネーターとかがやるみたいなことは言われたンすけど~、やっぱ自分的には~、感謝?とか直接言わさして頂く?てかァ、逆に言うとそれって常識じゃないすか。ドナー様が出たみたいなことを聞いた時は~、普通に嬉しいってか、ぶっちゃけ『まじっすか』みたいな。俺のお母さんとかもチョー喜んでェ、もう、孫が助かったモードでリアルに泣いていて、キモいくらいっすよ。あざーっす(ありがとうございます)」

 まさか、これほどにはなるまいと思いますが、最近の「保育所落ちた、日本死ね」の言葉遣いを見ると、さもありなんと思うところ大であります。

 ところが、その問題追及法にだけ的を絞ってみてみると、この保育所に落ちた方は高度なインテリジェンスをお持ちであることがわかります。

 おそらく、一般的な文章を十分に書ける能力を持ちながら、わざと若者弁を使ったのでしょう。

 その作戦は見事に的中し、だからこそあれだけの社会的・政治的インパクトを与えたものと思われます。

 ことすなわち、「今的若者弁」が一般社会に認知されたという歴史的エッポックと考え、この記事のカテゴリーを「人生一編読書万編」ではなく、「歴史の眼 時代の目」にしました。


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コメント
この記事へのコメント
言葉遣いでその人の育ち・家柄・人柄等がわかるくらい言葉は重要な役割を持っています。

言い回しで深い意味や軽い言葉・強い言葉の裏に優しい心が感じられたりする日本語って素晴しい・・・

今は荒い言葉で皆がドキっとするような言い方で無いと世間もマスコミも取り上げてくれない。

保育園の事もメールを送った本人にインタビューしたら常識のある普通の人でした。

あの言葉を言わなくては取り上げてもらえないことを知って過激な言葉を発したのでしょう。

そんな世の中が悲しい。時代が変わりました。
2016/07/05(Tue) 20:29 | URL | hana | 【編集
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