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 演奏の仕事で日比谷公会堂に出向き、ホールに入った途端、「マンチンコさま、マンチンコさま、ミキサー室までお越しください」と場内アナウンスが。いやぁー、縮み上がりましたね。
 そういえば昔、プロ野球に マンコビッチという選手が入って来たときは、みなさん困りはてたようです。マニーとか言ってなんとか、ごまかしていたのですが、本人はケロッとしていたとのこと。
 逆に、イタリアではイソノカツオやコーノやカガという名前は、とんでもない意味になるそうです。
 日中友好協会川口中国語教室では「手紙(チョーズ)はトイレットペーパーのこと、中国語では信(シン)といいます」と、初級者に伝え続けられているのですが、先輩たちに何か行き違いがあったのでしょうか。 

 中国人の旅行者が来日すると、街はきれい、人々は礼儀正しく、製品は精巧で安く、店員のサービスの良さに驚くそうです。忘れものを店員が走って届けてくれることなど、日本ではあたりまえのことにも、心を打たれているようです。
 ところが、来日を重ねている方は、そういうことよりも地名などの固有名詞の文学的表現に感動をするらしいのです。

 日本人でも日野・春日・日暮里、月夜野・二十三夜・月寒などにはロマンを感じるし、流山・三郷などは良いところなのだろうなと思うし、安孫子などには威厳を感じます。

 中国の方は我われが俳句や短歌を習うように漢詩を勉強しますから、「日暮里」の地名を目にすると、王維の「日暮飛鳥還」を思い起こすでしょう。魯迅も「藤野先生」の中で、そのことに触れています。
 月夜野や月寒という地名では李白の「月夜」の詩句を口ずさむに違いありません。
 「安孫子」は何年か前の高校野球放送で、地元出場校の校長が「われ、孫子なり」と読めると言っていましたが、現代中国語では「私の孫」という意味ですから、笑みがこぼれること請け合いです。
 「忍が岡」や「不忍池」は漢詩の対句技法そのものですから、気がついた方は中国よりも中国古典が生きている日本に圧倒されるのではないでしょうか。
 ちなみに、中国本土ではこのような文学的地名は見当たらないようです。

 せっかく、お上品な話に持ちあげたのに、またシモの話に戻ってスミマセン。
 東京都日野原村のバス停「下除毛(しもよけ)」の写真を中国人観光客がSNSにアップして話題になりました。
 でも、このようなことは大らかな日本人にしてみれば、ありきたりのことで、下野(しもつけ)の本来は「下の毛」であり、ご丁寧にもそこには人知れず金精山がチン座しています。 
 他にも浮気(ふけ・うき)とか十八女(さかり)とか、お色気たっぷりの地名もそれこそ、チメイ度を誇っています。
 
 されど、そこに住んでいる方たちにとっては、それぞれに愛着があり、そこにしかない風景があり、そこにしかない生活があるのですから、他から何といわれようと全く気にする必要はありません。

 ちなみに、私の好きな地名は菅平高原に行く途中にあるのですが。

 なんじゃい(南蛇井)。

 所変われば意味変わる。固有名詞は何といたずら好きなのでしょう。


1 固有名詞のいたずら
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