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       他者が他者であること

     宮城谷昌光       文藝春秋


 4つの章から成るエッセー集です。章立ての脈絡はありません。

 「Ⅰ湖北便り」は身の回りのこと、「Ⅱ中国古代の構図」は中国物について、「Ⅲカメラ」は趣味とは言え玄人はだしの写真技術について、「Ⅳ他者が他者であること」は自己や自作について分析がなされています。

 「Ⅲカメラ」ではフィルターについての考えやデータ分析の必要性などが詳しく書かれていますから、これはもうプロの仕事でしょう。

 タイトルエッセイ「他者が他者であること」の冒頭で「文学について考えたことはあるが、歴史について考えたことはなかった、というのが正直なところである。
 二十代のころに、歴史小説を侮蔑していた。
 現代に生きている者が、現代を直視しないで、現代に苦しまないで、現代の問題を提起しないで、過去に逃げ、安住したとすれば、作家が持たねばならぬ勇気の点において雲泥の差があり、歴史小説の秀作よりも現代小説の凡作のほうが価値が高いと信じた。」
と書いています。あの宮城谷昌光がですよ!

 代表見本の「俳句の応用」を読むと、構成の方法や文体の原則が良く分かるでしょう。

 最終の「立原さんの教え」では恩師立原正秋が身をもって教えてくれたこと、「職業作家についてくる垢を落とさなければ職業作家ではありえない」ということについて書かれています。

 立原正秋は一読しただけでは風俗小説かと思われるような中に孤高の美学に裏打ちされた高い精神性をそれとなく醸し出された方で、渡辺某などとはまったく違う次元のかたです。私は、全作品はもちろん奥さんや娘さんが著したものまで読みました。
 一時代前、映像化されたものをテレビなどで見ることができましたが、通俗的でしかなく、本質は表現できておりません。
 制作者や出演者の問題もありますが、そもそも孤高の精神性を映像化すること自体が無理なのでしょう。
 労を惜しまず、読んでみないと、上辺しか解らない。これぞ職業作家の作品!

 宮城谷の作品も!


1 他者が他者であること
他者が他者であること

2 俳句の応用1
俳句の応用1

3 俳句の応用2
俳句の応用2

4 俳句の応用3
俳句の応用3
コメント
この記事へのコメント
このところ本を全然読んでいません。

内容が難しく読み取れません。

頭の回転が本当に悪くなりました(ーー;)
2017/01/31(Tue) 17:15 | URL | hana | 【編集
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