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         歌声喫茶「灯」の青春

        丸山明日香      集英社新書


 「うたごえ」という一時代をつちかったムーブメントを取り上げたノンフィクションです。

 「うたごえ」は「カラオケ」とは、似て非なるもの。

 「カラオケ」は企業が絡んでいますが「うたごえ」は自然発生的です。それだけに自然成長し、自然衰退しました。

 「うたごえ」は成り行き任せで自主努力なしですから、多様性を求めて全国に企業展開した「カラオケ」にはかないません。間もなく、入れ替わってしまいます。

 もう1つの大きな違い。それは一体感。「カラオケ」は一人ひとりバラバラですが「うたごえ」には一体感が生まれ、その場だけでも団結したつもりになることができました。

 団結を妨げたカラオケは人々を分断しながら巨大産業になっていき、今まさに東南アジアを分断しようとしている。と言ったら言い過ぎでしょうか。

 「うたごえ」には時代背景も大きな役割を果たしていました。

 日本経済が高度成長期にさしかかり、労働力として若者が都会へ押し寄せてきたときですから。

 彼らには簡単に手に入る楽しみが、どうしても必要だったのです。

 「うたごえ」には3つの種類があります。
 「青年歌集」を使って関鑑子・芥川也寸志・林光・間宮芳生などが牽引した「日本のうたごえ」、これに対抗し「青少年の合唱」という曲集を使った文部省御用達の「官製うたごえ」、そして歌声喫茶や歌声酒場など自然発生的な「街中のうたごえ」です。

 これらのうち「官製うたごえ」は1956年5月6日号の「サンデー毎日」で『歌集が新味に乏しく、戦わずして敗れた』と報じられてしまいました。
 当時は文部省の文化政策よりも労働者や街中の人々の文化水準の方が上だった、ということになりましょう。

 ちなみに、朝ドラの「ひよっこ」に出てくる職場のうたごえは最初の種類のものです。

 映像には当時の雰囲気がよく出ていますね。


1 歌声喫茶「灯」の青春
歌声喫茶「灯」の青春

2 丸山里矢さんの話
丸山里矢さんの話

3 上条恒彦氏の話
上条恒彦氏の話
 上条さんや川辺さんの歌声チームと日本ジャズメン会議チームで野球の試合を何回かしました。上条さんはピッチャーで4番でした。
 サックスの川辺さんとは演奏でも新宿のボンゴなどで開かれたジャズメン会議のジャムセッションでご一緒しています。
コメント
この記事へのコメント
ひよっこ見ています。

丁度私たちと同じくらいの年代で懐かしい言葉が出てきます。

歌声喫茶も1度行ったきりですが画像が出ると懐かしい思い出が甦ります。

あの頃は皆一生懸命働きました。

若いっていいですね。
2017/05/13(Sat) 16:54 | URL | hana | 【編集
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