FC2ブログ
 この4月から小学校で道徳が教科になりました。

 道徳には独自性があるので、教科には適していません。

 アメリカにはアメリカの道徳があり、日本には日本の道徳が。

 もちろん、北朝鮮には北朝鮮の道徳が、ロシアにはロシアの道徳があるでしょう。

 よく話題になるのは、アメリカはディベートの国だから論破する能力を身につけなければならない、日本は謙遜の国だから人を押しのけて発言したら嫌がられる、との違いです。

 道徳は社会規範ですから国際間のことだけとは限りません。

 社会とは人が2人以上いれば成り立つもの。

 世界人口は現在76億人ですから、38億通りの道徳が必要になってしまいます。

 どうしましょう。

 為政者にとって、そんなことはどうでもよく、要は道徳を教科にすることによってナショナリズムを高揚したいのです。

 そのことは、国際化を阻害する恐れがあるのですが、どうやらそれには気がついておりません。

 それと、よく言われるように道徳は法律の最低限を示しているので、厳密には法律学を学ぶような難しさがあります。

 このことを大学院レベルで徹底的に追求したのがサンデル教授の『ハーバード白熱教室』でありましょう。

 当然のことながら、それでも結論はでません。

 サンデル教授の口癖は「君はどう思う?」です。

 法律には条文があるので照らし合わせることができますが、道徳にはそれがなく、1人ひとりの思うことが皆違うからです。

 例えば、1人が犠牲になれば大勢の命が助かるようなとき、その1人をどうやって決めるか、など。(実際に原発メルトダウン時や廃炉作業はその連続)

 大学院生でも結論が出ないものを小学生に学ばせるのはかわいそう。

 教科にすることを正しく捉えると、そういう無理を押し通すことにならざるを得ません。

 その点、宗教には、すこぶる共通性・普遍性があるのですが・・・。


1 朝日新聞 41「道徳 どんな授業になる?」
朝日新聞 4/1「道徳 どんな授業になる?」

2 大人の教科書「道徳」の時間 青春出版社
大人の教科書「道徳」の時間 青春出版社

3 目次
目次
コメント
この記事へのコメント
道徳教育とは精神教育で常識的な事柄を教えるのではないかと単純に考えていました。

なかなか難しいことなんですね。
2018/04/10(Tue) 19:27 | URL | hana | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック