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 まず最初に何かを表現したい衝動がないことには言葉は出てきません。

 そういう意味では言葉になる直前の沈黙こそ、最も濃厚な意識の状態でありましょう。

 熊谷守一が「何も書かれていない白いキャンバスが一番美しい」と言っているように、武満徹は「価値ある沈黙に音を使ってそれ以上のもの加えることは極めて困難だ」と言っています。

 絵画は真っ白まっさらで満たされている平面を汚すことでしか成立しないように、会話は静寂という安定した空間を掻き乱すことでしか成り立ちません。

 これらのことに違和感を覚える繊細な感覚の持ち主が吃音になるとも思われます。

 吃音や自閉症の方には言葉よりも、態度や目で表現する方が安心できるのではないでしょうか。

 会話は最大のコミュニケーション力ではありますが、大声や甲高い話し声などは感覚過敏症の方にとっては耐え難い迷惑かもしれません。

 内容によっては、言葉は凶器になる、ともよく言われます。

 言葉を使うには幾つかの壁を乗り越え、少しの気づかいをしなければなりません。

 ロクサーヌにシラノ ド ベルジュラックの言葉を借りてしか思いを伝えることができないクリスチャンが「なぜ言葉なんだ、心ならだれにも負けやしないのに」と叫ぶ気持ちもよくわかります。

 まず初めに、言葉よりも大切なものがなければなりませんから。


1 朝日新聞 61 折々のことば
朝日新聞 6/1 折々のことば

2 朝日新聞夕刊 530 言葉に敏感なこの頃
朝日新聞夕刊 5/30 言葉に敏感なこの頃
コメント
この記事へのコメント
言葉だけだと難しいけど表情と一体になると人柄がよくわかる。

怒りや喜びや悲しさ親しみ易さは本気か嘘か言葉だけだとわからないが表情をみると本当の感情がよくわかりあとはそのままの言葉で充分わかる。

飾らない真実の言葉が一番すばらしい。

国を預かるトップの人達・大学の教育者達・その他諸々の人達の嘘の言葉は若者の純粋な心からの言葉に勝てるわけがない。

人を信用できなくなるのは怖いことです。
2018/06/12(Tue) 07:11 | URL | hana | 【編集
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