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 君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい

    
浅田次郎         文芸春秋



1 君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい


エッセイ集のタイトルには収録されたエッセイの中の一つが使われることが普通です。

 このエッセイ集のタイトル「君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい」は隅々まで読んでみても、小見出しにも本文にも見当たりません。

 ですから、このように言われたことが、本当のことかどうかは分かりませんが、おそらく自虐的な意味も含めて、普段思っていることをタイトルにしたのでしょう。

 確かに推理小説などを読んでみると「よくもまあこんな悪質な犯罪を考えることができるなー」と思うことが多々あります。過去には小説に触発されて現実に行われた犯行もありました。
 ですから、小説家は犯罪者の能力を上回る能力を持っていないと成功しないのかも知れません。

 考えてみると警察や検察の仕事も同様ですから、才能はどちら側に使うかということが問題で、それ自体には何の罪もないことです。

 つきつめれば科学技術も同じこと。
 今では毒ガスや細菌兵器を簡単に作れるようになってしまいました。

 なので、そういう職業の方には、ぜひ、この「君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい」の思いを胸にとどめておいていただきたいものです。


 浅田次郎は自衛隊に入隊経験のある作家として知られています。
 作家の経歴は、いいにつけ悪いにつけ、何でも箔がついてしまいますから、恐れることは何もありません。

 父系にも母系にも「筋金入りの博徒」が存在し、本人も競馬などのギャンブルが大好きとのこと。

 そのような環境の中から鉄道員(ぽっぽや)や新選組についての作品が生まれてきました。

 歴史小説家には歴史に忠実な方と歴史をねじ曲げても平気な方が存在します。どちらかというと後者の方が面白く、売れるので、どうしても、そうなりがちなのですが。

 浅田次郎の場合は、それがほどよくブレンドされ、上質な雰囲気を醸し出しています。


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コメント
この記事へのコメント
小説家って凄いです

人がなにを考えているかわからないからストレスが溜まるのに

限りなく人の心がかけるわけだから凄い能力の持ち主だと思うのだが・・・
2019/01/15(Tue) 19:18 | URL | hana | 【編集
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