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    かわいい自分には旅をさせよ

       浅田次郎   文藝春秋


1 かわいい自分には旅をさせよ
かわいい自分には旅をさせよ


 浅田次郎のエッセイ集「かわいい自分には旅をさせよ」は6番目のエッセイの小見出しを本全体のタイトルに使ったものです。もちろん、全体的に旅の題材が多いからでもありましょう。前回に紹介した「君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい」と違って、この形がエッセイ集の本来のありかたです。

 東京生まれの彼は「私にはふるさとはなかった」と「かえるずとも帰るべき町」の冒頭にはっきりと書いています。そのせいか、若い頃は「古仏巡礼」や「祇園の夜桜」などにみられるように郷愁を求める旅を多くしていました。

 職業作家になってからは「蒼穹の昴を旅する」や「オヤジのためのラスベガス」のように取材旅行が多いようです。

 作家にとっての取材旅行はミュージシャンにとっての演奏旅行と同じく、いや応なしの強制のもので困難や不都合に出合うのは当たり前です。けれどもそれが、実におもしろいことや、考えさせられることに出会うきっかけになるので、楽しくないとは言えません。

 ですから、私の場合、逆にそのことを求めてボランティアの演奏旅行に出かけることがあります。彼の場合も同じように何かを求めてのボランティアの旅があるようです。

 旅は読書に対する姿勢と似ているかもしれません。新しい知的風景が見えたとき、その感動を記憶したい記録したいという気持ちでメモを取るのは、写真を手元に残すことと同じ行動でありましょう。

 浅田次郎は若き頃、三島由紀夫の影響を受け自衛隊に入隊しました。「志願する理由は誰にも語らなかった」とありますが、見事に語るに落ちています。


2 かわいい自分には旅をさせよ
かわいい自分には旅をさせよ

3 複雑な父
複雑な父

4 複雑な父
複雑な父

5 回天の一日
回天の一日

6 回天の一日
回天の一日
コメント
この記事へのコメント
どんな事も経験したことに無駄はありません

小説家でなくても私達普通の人でもどこかで必ず役に立ちます

何事も一生懸命やることです
2019/01/22(Tue) 18:42 | URL | hana | 【編集
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