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 人間の能力は日々使っているから持続するのであって、使われなければみるみる衰えてしまいます。

 ゆえに、若い時にはやりたいことを片っ端からやっていればよかったのですが、老齢になるとやりたいことを整理しなければなりません。廃用症候群(生活不活発病)との戦いになりますから。

 アマチュア無線通信は実技一級までいったのですがやめました。茶道や座禅も好きだったのですが今はやっていません。陶芸は仕事として音楽と両立させたいと思っていたほどなのですが、敷地を妻のガラス工房にしてしまったのであきらめました。

 登山とスキーとカヌー、それにジャズピアノと文章を書くことは一生続けたいと思っています。

 それらの能力は、若い時には日常のことだったのであまり意識せずに持続することができました。最初に建てた家の返済が終わったとき、1週間内で3日が登山、4日が演奏の仕事というスケジュールを何年間か続けました。
 そのときは頭も体もフル回転。登山やスキーをした次の日には茶道教室や座禅会へ。動と静が入れ替わり、その快感が忘れられません。

 比べて、連続性のない今は、少しでもトレーニングを怠るとみじめなことになってしまいます。

 かつてやっていたトンツー無線は、技量を保つために毎日練習をしていました。ちょっと上達したからといってさぼると信号がバラバラになってしまいます。このことを「手崩れ」と言うのですが、手崩れを直すには基礎に戻るしか方法はありません。電鍵への指の置き方、手首の使い方から、やり直しです。ゆっくり、ゆっくり、トンツートンツー、トントンツーツー。
 でも自分は1級なのに、ヘタな人と同じスピードでなぜ我慢しなければならないのかという気持ちに負けて、ついつい速く打ってしまいます。するとますます手崩れがひどくなってしまう。

 このことはピアノ演奏法でも全く同じです。運指のための初心者用テキストはハノン。これをゆっくりと弾くと気が狂いそう。しかし、それをやらないとトンツーと同じく「手崩れ」を起こしてしまう。 早く曲を弾きたいのだが・・・我慢・・・ガマン。
 嗚呼、廃用症候群との戦い。

 登山をするための体力保持は命がかかっているので、この上なく真剣です。
 歩行4km約8000歩、腕立て伏せ50回、腹筋運動50回、階段や坂の上り下り標高にして100m、急傾斜での足首保持5分、背伸びから踵落とし20回、頚椎と腰椎の自重牽引10分以上、始めと終わりのストレッチ5分。これらは早朝だけのメニューなので終日ではもっとも多くなることもあります。
 嗚呼、廃用症候群との戦い。

 若いころからの積み重ねで老齢になって身に付いたことといえば、ものを見る目というか評価する力でありましょう。この眼力ともいえるものは、けだし衰えることがありません。ですから、人の音楽や文章や生き方などを評価したり批判することは面白いようにできます。
 けれども、では自分のものはどうなのか。音楽は聴くに堪えないし、文章はありきたりのものしか書けない。なまじ評価力はあるから自分の音楽や文章がどれくらいひどいか、ということもすぐ分かり、その結果ますますやりにくくなってしまう。
 そのようなときに思い起こすのは恩師八城一夫の言葉です。

 「ステージに上がったら世界で一番上手いと思いなさい。ステージから降りたら一番下手だと思いなさい」
 嗚呼、廃用症候群との戦い。


1 思いは果なし
思いは果なし
コメント
この記事へのコメント
現実に歳をとると本当に厳しい日々が待っています

1・2日ぐらいならまだ取り戻せるが1週間怠けると大変

毎日の積み重ねが大事だとつくづく実感させられます
2019/03/11(Mon) 10:50 | URL | hana | 【編集
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