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 今の若い方は分解掃除と聞いてもピンとこないでしょう。

 私たちの若いころは分解掃除といえば腕時計をオーバーホールしてもらうことでした。

 機械式腕時計は歯車や部品の間にゴミがついたり、油が切れたりします。4,5年使って遅れが出始めると分解掃除をしなければなりません。

 時計屋さんにもっていくと、まず裏ぶたをパチンとあけて中を点検します。その瞬間を逃さず一緒に覗き込むと、テンプが動いているのが見えます。その時のワクワク感といったら今でもゾゾッとします。
 機械小僧にとって腕時計は究極のツールですから。

 機械小僧の私が初めて分解掃除をしたのは自転車でした。わが家は自転車屋だったので。

 父は、独身時代は鉱山技師で大型機械を扱っていました。そのせいか軍隊では自動車部隊に配属され、ボルネオ島のジャングルで骨身を削る思いをしたようです。
 ですから、自転車の修理や組み立てなど、お茶の子さいさいだったのでしょう。あまりやる気はなく、作業場は私の遊び場にもなっていました。
 私は見よう見まねで自転車をいじっているうちに何となく分解と組み立てができるようになりました。

 スポーク・クランク・ハブなどの専門用語は今でも覚えています。おかげで、ハブ空港という言葉に初めて出会った時もすぐにその意味がわかりました。
 「ノミといったらカナヅチ」との父の言葉は今でも覚えています。現実にはドライバーといったらプライヤーでした。ネジはオスとメスが一対になっているので。
 困ったことは力がないのでそのネジを最後までしめることができず、すぐにゆるんでしまうことです。

 小6で父親が急死したとき、中古の部品がちょうど1台分残されていました。それを自分で組み立てて中学校に通ったのですが、ネジがすぐにゆるんでしまい、何回もしめ直しをしました。やっとゆるまなくなったのは高校生になってからです。そのころにはタイヤがボロボロになってしまい、接ぎを当てて乗っていました。

 分解掃除はお手の物、楽しかったです。

 そのころの思い出とともに、ただ一つ残された父の遺品があります。
 それは父自作の「スポーク切り」という工具。
 鍛冶屋に言ってやってもわからないので自分で打ったそうです。
 捨てられません。
 使い道はないけれど・・・。


1 スポーク切り
スポーク切り
コメント
この記事へのコメント
夏が来れば思い出す
 スポーク、クランク、ハブなどの言葉が懐かしいです。スポーク切りの写真を見ながらいつでも自転車に乗っていた市村君を思い出します。夏になると中学生の頃、市村君のお父さんがボルネオ島の激戦で九死に一生を得た話を市村君から聴いてびっくりしたことを思い出します。もう少しで終戦記念日ですが、二度と戦争が起きないように微力を尽くしていきたいと思います。
そんな思いで6月30日は那珂市の原水爆禁止平和行進に参加してきました。原爆許すまじの歌を教えてくれたH先生、一緒に歌った同級生の皆さん、どうしていますか・・・
2019/07/01(Mon) 08:01 | URL | 小野瀬壽 | 【編集
小学校6年生の時お父さんなくされてお母さんは大変御苦労されたんですね

遺品のスポーク見るたびにフーと思い出の中のお父さんが現れて元気ずけてくれたんでしょうか?

大事な大事なものなんですね

お父さんの残りの命を貰って元気で長生きしてください

空の上から守ってくれています

1日1日大事に生きてください
2019/07/03(Wed) 05:47 | URL | hana | 【編集
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