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  夢を食いつづけた男 おやじ徹誠一代記

     植木等       朝日新聞社


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夢を食いつづけた男


 山ほどの読書を重ねても、真実誠種の心に出逢えることは滅多にありません。

 100冊ではとうてい無理。1000冊で1冊あるかないか。

 それなのに、また1冊見つけてしまいました。

 コメディアンの植木等が、僧侶にして日本共産党党員の父、徹誠の一生を描いた「夢を食いつづけた男」です。

 まるで、歩く思想史。

 何重にも築かれた思想の桝形門を、打たれても蹴られても、這いつくばってくぐり抜け、傷だらけになった仏像のようなひと。

 それなのに、仏像なんて木をくりぬいて金粉を塗っただけのがらくた、といってはばかりません。

 奇想天外・支離滅裂・自由自在。

 支離滅裂は植木等が父の一生を表現した言葉でもあります。

 その植木等が語る裏付けをしっかりと支えたのが朝日新聞論説委員の北畠清泰氏。

 氏がいなければ貴重極まる徹誠の一生は埋もれたままで日の目を見なかったでしょう。

 北畠氏のように市井の人の血と汗と涙の結晶を掘り起こす作業をしている方を真の歴史家というのではないでしょうか。

 この本の中には名前を聞けば驚くような歴史上の人物がたくさん出てきます。

 でも、それらには詳しく触れておりません。

 それよりも、社会の底辺にいながら、野蛮にして蒙昧な権力に抵抗し、弱き人を助け、不幸な人をいたわり、分けへだてなく人を愛する人物に、光が当てられています。

 また、仏教界には一般社会と同じ差別があり、旃陀羅男・旃陀羅女・畜男・革女・僕男など、とんでもない戒名が使われていたことも教えていただきました。

 植木等の等という名前は、差別は絶対に許さない、という父上の決意だったのです。

 
 さあ、スーダラ節をハミングしながら、もう一度読んでみましょうか!


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あとがきにかえて1 北畠清泰

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あとがきにかえて2 北畠清泰

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あとがきにかえて3 北畠清泰
コメント
この記事へのコメント
植木等の歌やコントや演技を思い出すといい加減な歌の文句をきいてても嫌味もなく何となく笑えて後味のいい気分になります
人間性からでる誠実さがつたわってくるような思いがありました
あの笑い顔が頭に浮かびます
素敵な人だったんですね
天国に行っても皆さんを楽しませているんでしょうね
2020/08/05(Wed) 10:06 | URL | hana | 【編集
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