FC2ブログ
       戦場から女優へ

   サヘル・ローズ    文藝春秋


1jDSC03457.jpg
戦場から女優へ


  女優のサヘル ローズさんは公称1985年10月21日生まれとなっていまが、89年のイラン イラク戦争での空爆により住んでいた村が全滅したため、はっきりわかりません。

 ただ一人がれきの中で生き残り、3日目にボランティアの女性に救出され孤児院に。
 この孤児院は閉鎖空間だったため、孤児院を出て始めて動物や花などをふくむ植物を知ったといいます。

 この女学生に養女として引き取られるが、養母が両親から勘当。
 上流社会の子女が未婚で子をもつことが許されません。

 93年、日本で働く養母の婚約者を頼り、2人で来日するも、今度は「連れ子」の存在が原因で離別。
 しつけのいきとどいてないサヘルさんを婚約者は嫌って熱いスプーンを押し付けて虐待。やけどの傷は今も。
 けっきょく、その婚約者は養母を裏切り、女子学生のもとへ。

 その後公園でのホームレス生活、給食のおばさんからの差し入れ。クラスメートからのいじめなどを経験。

 高校在学中よりJ-WAVEのレポーターなどの活動を開始。


 私はこの本を読んで2つのことを感じました。

 1つは、サヘルさんが経験したことは良きにつけ悪しきにつけ、現代日本の縮図であるということ。

 小学校の校長先生や給食のおばさんのように親切な人もいれば、中学校の同級生のようにいじめをする人、その教師のように無関心を装う人、真心をあっさりと裏切る人、そして都立園芸高校の先生のようにサヘルさんの本質を見抜き生き方まで変えてくれる人などを見ることができます。

 このような日本ははたして、文明国なのでしょうか。

「一つの国が文明国家であるかどうかの尺度は、高層ビルや車の多さや、強大な武器や軍隊や、科学技術の発達や卓越した芸術や、派手な会議や絢爛な花火や、世界各地で豪遊する旅行客の数ではない。唯一の尺度は、弱者にどう接するか、その態度だ。」

 武漢市に留まり続け、コロナ対策などに意義を唱える女性作家、方方さんの言葉を思い出してしまいました。 

 2つ目は、戦争の傷跡を抱え持つ人は75年前だけではなく、今、現在も歴然といるということ。

 2001年9月11日にテロ攻撃を受け崩落したワールドトレードセンターで亡くなった方はもちろん、けがを負った日本の方も多数おられると思います。

 また、アフガニスタンで人道支援に取り組んでいた中村哲医師が銃撃され死亡しました。

 残されたペシャワール会の人たちは「事業は全て継続し、希望は全て引き継ぐ」といっていますが、この方たちの命の保証はありません。

 過去の戦争を振り返ることも大切ですが、今の今、戦いに苦しんでいる人たちのことを考えることは、もっと大切でありましょう。


2uDSC03454.jpg
戦場から女優へ

3rDSC03455.jpg
戦場から女優へ
コメント
この記事へのコメント
どんな境遇に生まれても周りの援助や助けを受けて人の役に立つ力がある人は運がいいのかほんにんの実力なのか指導力のある人間に成長していけるような気がしています

生まれるときに使命を負って送り出される神の子だと私は思っています

頑張ってください
2020/08/18(Tue) 17:42 | URL | hana | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック