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 きのうの夜10:00からのETV特集「転生する三島由紀夫」や、おとといのEテレ「あの人に会いたい」など三島由紀夫の番組が続いています。

 「転生する三島由紀夫」では、また巴中学の同級生 新堀喜久君の映像を見ることができました。

 これらや今までの番組・新聞記事などをみると三島由紀夫の、おおよそのことがわかってきます。

 「潮騒」から「豊饒の海」までの過程をみてみると、純愛から始まり男色・SMなどを経て、それを徹底するための早世願望に取りつかれ、実行してしまった、ということができるでしょう。

 日本は古代から現代まで恋愛大国・男色大国です。

 そもそも創世神話からして「この吾が身の成り余れる処を汝が身の成り合わぬ処に刺し塞ぎて」ということから始まります。

 「阿豆那比之罪(アズナイノツミ)」という人の男色の件もすでに日本書紀に記されました。

 万葉集の編者である大伴家持は両刀使いで有名です。

 その後は源氏物語や伊勢物語が綴られ、戦国時代には夜のおつとめもする小姓がおかれ、江戸時代には井原西鶴の好色物が出版され、明治になってからも漱石、鴎外、その後も谷崎・太宰から現代の渡辺淳一や瀬戸内寂聴とまで続いていますから。

 早世願望も古くからあります。

 兼好法師は40歳で死にたかったのに 70すぎまで生き、「武士道とは死ぬことと見つけたり」の作者も長生きをして畳の上で死にました。

 近代の有島、芥川、太宰、川端などは、それを実行してしまったのですが、思想・哲学的な意味はあまりなく、うつ病や薬物依存症だったのでしょう。

 それに対して徹底的に生を見つめ、死を見つめ、性を見つめ、それらの美を見つめて自決を選んだのが三島由紀夫でした。

 恋愛大国ニッポンの頂点を極めた人、といえますね。

 彼のナルシズム上、最も嫌ったことは豊饒の海 第4巻のタイトルにもなっている天人五衰(てんにんごすい)でありましょう。

 天人五衰とは、めったに使われない仏教用語で、天人でさえ5項目にわたって衰退する、つまり老醜をさらけ出すこと。

 ゆえに早世願望に向かい、輪廻転生を信じる道へと進んでいくのですが。

 しかしながら、老いを醜ではなく、美とみなす仏教用語もあるのですよ。

 老松寿色多(ろうしょうじゅしょくおおし) 松とはもちろん人のこと。風格ある老いた姿が美しいと。

 青松寿色多(せいしょうじゅしょくおおし) 青年はもちろん美しい。その枝ぶりといい色といい。

 寒松千歳色(かんしょうせんざいのいろ) 時を超えて変わらないものは美や真理である。

 青松寿色多+老松寿色多=寒松千歳色

 青年も老人も美や真理を求める限り同じである。


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ETV特集「転生する三島由紀夫」より

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ETV特集「転生する三島由紀夫」より

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ETV特集「転生する三島由紀夫」より

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ETV特集「転生する三島由紀夫」より
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