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 マザーツリー(母なる樹)という言葉があります。母を亡くした心の空洞に、この言葉が響くようになりました。なぜなのでしょう。

 子供のころ、わが家の前には幹の直径が2㍍以上もあるような大ケヤキがありました。

 その木陰が一番涼しい場所だったので夏のあいだ中、そこで過しました。

 そこには葉タバコの乾燥小屋があり、番人がいつもいて、遊んでくれることも魅力でした。

 炎天下で汗だくになっても、そこに行くと涼しさを通り越して炉のそばに近づきたいような気になります。

 なるほど、大人は旨い場所で仕事をするものだと子供心に思いました。

 今になって考えてみると、そこではいつも母の視線を感じていたように思います。

 母のふところに抱かれているような、母の手のひらの上で遊んでいるような、この上ない豊かさと安心感に包まれていたような気がします。

 大きな木に近づくと母のもとに帰ったような気がするのはこの幼児体験に基づいているのかもしれません。

 しかし、よく考えてみると、人間は猿から進化したといわれていますから、だれもが樹木に親近感をもって当然でしょう。

 村の鎮守は森の中にあり、神社には御神木があり、お寺や墓地にも必ずと言ってよいほど、大木があります。

 これらのことは大きな木には魂があり、ご先祖や神様の霊と共通する何かを感じての、しきたりなのではないでしょうか。

 最近では各地の古木を訪ねたり、ブナの大木や縄文杉に会いに行くツアーが大はやりのようです。

 やはり、樹木に何かを感じる方は古今東西を問わずに数多く居られるのでしょう。

 マザーツリーとは、いうまでもなく英語圏の言葉です。

 日本語にはマザーツリーに相当する言葉は御神木、つまりゴットツリーしかありません。

 やはり、マザーツリーのほうが良いニュアンスですよね。

 母を亡くした私は身近な大木に会って安らぎを求めるようになりました。

 散歩コースにある一番大きな木に、人と会うときと同じように挨拶をするのです。

 恥ずかしいので英語で呼びかけます。

 My mother tree! How are you! 

 ちゃんと、答えてくれますよ、英語で……。

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 マイ マザーツリーは川口パブリックゴルフ場の足立区境にあります。
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