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            ホームレス歌人のいた冬

         三山喬             東海大学出版会


 歴史上の「幻の作家」と言えばなんと言っても、東洲斎写楽でしょう。写楽は敏腕プロデューサーの蔦屋重三郎が流通の虚を突いて仕掛けたものです。

 ところが、この世知辛い現代に全く偶然に「幻の作家」が現れ出でました。
江戸時代にも珍しいような、この憐れな現代社会が、いや応なしに、強引に、有無を言わせずプロデュースしてしまったのです。

 その詳細を記したものがこの本です。


1 ホームレス歌人のいた冬
            表紙

 2008年の暮れ、朝日新聞の「歌壇」欄に、彗星のごとく現れ、読者の注目を集めながら約9ヵ月で消息を絶った「ホームレス歌人」がいた。
 歌壇欄や投書欄には共感や応援の投稿が相次いで載り、記事や「天声人語」、さらにはテレビでも報じられたことから、広く知られた「ホームレス歌人・公田耕一」とは、いったいどんな人物だったのか……。(裏表紙キャッチコピー)
 「まるで、写楽みたいですよね」58頁

 92頁には、公田耕一(くでんこういち)の作品には前衛歌人塚本邦雄の影響があるとの意見があります。

 革命歌作詞家に凭(よ)りかかられてすこしづつ液化してゆくピアノ   塚本邦雄

 「液化してゆくピアノ」には通常とは違う時間の流れや空間を感じます。

 柔らかい時計を持ちて炊き出しのカレーの列に二時間並ぶ   公田耕一

 「柔らかい時計」はダリの代表作『記憶の固執』のモチーフで異次元の時間や空間を表しているとされます。


 そして、この世知辛い現代に再び「幻の作家」が現れようとしています。朝日歌壇をお読みの方は気になっていたでしょうが、郷隼人が再登場してきました。

2 郷 隼人
          10月29日 朝日歌壇
 佐佐木幸綱はさすがに見逃しません。


3 朝日歌壇 11.11
          11月11日 朝日歌壇
 他の選者も続々と取り上げます。
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