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 トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか 低体温症と事故の教訓
 羽根田 治 他  山と渓谷

1トムラウシ遭難~

 昨日は、女子サッカーのナショナルチーム「なでしこジャパン」が大活躍、世界ランキング1位のアメリカを破ってワールドカップ初優勝、いま日本中が湧きたっています。
 なでしこジャパン!優勝おめでとう

 おととしの今ごろは日本中が打ち沈んでいました。
 2年前の今日(2009年7月19日)のマスコミ発表。
「大雪山の死者は同ツアーに参加した8名、および美瑛岳の別ツアー客1名と単独で来た1名、計10名と発表され、司法解剖の結果全員が低体温症による凍死であったことが確認された。また足には何度も転んだ跡と見られる青あざが多く残っていた」
 そして、1年前の7月、この本が出版された。

 大雪山系の旭岳からトムラウシ山へと縦走するプランは、ツアー登山を扱う会社にとって、募集すればすぐに定員いっぱいになってしまう人気商品だという。その一方で、避難小屋を利用する長丁場のコースであることから、旅程および安全管理が難しく、又コストや人員配備などの問題もあり、やむなく商品化を中止したり、日程やコースを変えるなど工夫して催行しているツアー会社もある。(7頁)
 所詮、山は遊び。命を懸けて登ったり、歩くものでもないだろう。スケジュールどおりに悪天候のなかを歩いても、楽しいはずがない。(211頁)
 また、遭難パーティーと前後して歩いていた伊豆ハイキングクラブのひとりは、「ヒサゴ沼の避難小屋にもどることも考えたが、暴風下で雪渓を下ることに危険を感じ、前進を選んだ」とコメントしている。
 遭難当日の行動は、第三者が結果だけを見れば、明らかに無謀な行動ということになる。しかし、このようなコメントを見ていくと、現場ではさまざまな要因が適切な判断を下すための妨げになっていることがわかる。このような判断に迷う状況には、だれもが遭遇する可能性があると捉えておくべきだろう。(223頁)
 生還者のコメントを見ると、途中で食べたことが良かった、と述べている人が何人かいる。「猛烈にお腹がすいたので食べた」「アメ玉を一個を食べただけでこんなに違うのかと驚いた」というコメントや、「悪天時なので、身体を動かすために食べなければならない、と判断して食べた」という文化的・行動的な適応を行っていた人もいた。死亡者の状況については不明に近いが、「(亡くなった人に)食べたほうがいいと勧めたが、食べなかった」という生還者のコメントもあった。(243頁)
 もしあなたが泳げるのであれば、乗っている船が沈没したとしても、助かる可能性はゼロではない。どんな形態の山登りであれ、問われるのは、とどのつまり、あなたが登山者として自立しているかどうかなのだと思う。(297頁)

 今現在、大型で強力、しかも速度の遅い台風が南岸に接近しつつあります。こういうとき、山では天気予報のタイムラグと地域変動が当り前、あてになりません。くれぐれも、ご注意ください!
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